②母子癒着でお悩みの方へ

母子癒着をテーマにシリーズでブログを書いています。今日は2回目になります。

こんにちは。自分自身の心と繋がりたい、幸せや安心感を感じられる生き方をしたい方をサポートする心理カウンセラーの美吉風香です。

「癒着」について


「癒着」とは、自分と誰かとの境界線がなくなって、相手の感じてる感情が自分の感情として感じてしまったり、相手の問題が自分の問題のように感じたりするような状態のことをいいます。

身体は別でも心がまるで接着剤でくっついてるような状態と表現されたりします。

相手の感情と自分の感情の境界線がわからない
相手の問題と自分の問題の境界線がわからない
相手の人生と自分の人生の境界線がわからない

自分が感じてる感情は本当に自分の感じてるものなのか?
自分が抱えてる問題は本当に自分が抱えるべきものなのか?
自分が生きてる人生は本当に自分のやりたかったことを生きてる人生なのか?

と自分に問いかけてみるといいかもしれません。

その時に、これはもしかして私のものではない、誰か別の人のものだと感じたら「癒着」を少し疑ってみるといいかもしれません。

「癒着」が生み出す問題のパターン例を3つ紹介

1.誰か別の人の感情を拾って、他人の感情に振り回されて疲れてしまいがち。(職場の親しい同僚が上司に怒られていたら、なんだか自分のことのように感じて腹が立って苦しい)

2.誰か別の人の向き合うべき問題を肩代わりしてエネルギーを消耗してしまいがち。(パートナーがギャンブルで作った借金をいつも私が肩代わりしていて、いつもお金の工面に困ってる)

3.自分の人生を生きてる感覚がつかめず、心からの喜びや幸せを感じにくくなりがち。(自分が行きたい学校に進学して、やりたかった仕事をして成果がでても、喜びや幸せが感じられない)

これらは例えなのですが、「癒着」は、自分でなく誰か別のひとの感情や問題に無自覚に振り回され、自分の好きなことがわからなくなって自分の人生を生きるってどういうことか分かりづらくなる問題が起きやすくなります。今回はこの3つのパターンを紹介しましたが、このパターンの以外にも問題は色々とあります。

「癒着」の中でも代表的なものが母子癒着です

赤ちゃんの頃はお母さんにお乳をもらい、おむつをかえてもらい、泣いたら抱いてあやしてもらい、お世話してもらいます。生まれてきて一番最初に接する他者は母親です。一般的に多くの方が母親から人間関係の基本を学んで私達は育っていきます。

赤ちゃんは母親の顔をはっきり識別して認識するようになると、お母さんの顔がちょっと見えなくなるだけで大泣きしたりしますよね。お母さんの笑顔をみると嬉しくてニコニコしてます。お母さんの目や表情から愛を感じて安心感を感じてるのですね。

そして大好きなお母さんから愛されてる安心感を感じたいから、お母さんの顔をだれよりも一番みて観察して見ているのが、赤ちゃんだったり子供なのでしょうね。なので、お母さんの悲しい表情や怒ってる表情にも、とても敏感に気が付くのが子供だといえます。

ではなぜ、母と子供が問題を発生するほどに「癒着」してしまうのかですよね。それには様々な要因が唱えられていますが、今回は私がなぜ母子癒着になったかを詳しくご説明いたしますね。

私がなぜ母子癒着になったのか

我が家では、私が8歳の頃から父親が飲めなかったお酒を沢山飲むようになりました。その頃から母がとても悲しい顔をするようになりました。私は夜遅くに隠れて泣いている母を、何度か目撃していました。

大好きなお母さんが辛そうにしていることは、娘の私にとっては一大事だったのでしょう。「なんとかしてお母さんを助けたい」。8歳の私は、その一心だったと思います。

そして、母の表情を見て心情を察することに意識がいきすぎてしまい、母の望むことをすることが私の役割のような感覚を持つようになってしまっていました。

私は父から母を守るための小さな戦士として、盾や矛として生きているような感覚がありました。

そして母を喜ばせることがどんどんエスカレートしていき、心のなかで母を背負って生きている私が大人になっても続いたのです。

私の身体は、母のお腹から生まれた時点で母とは分離していて、別の人格をもっている一人の人間でした。しかし私は、父のお酒の問題が起きてからは、私が母の望む通リに動き、母と同じものを好むことで、母がとても安心していることが感覚でわかってしまいました。母を喜ばせたい一心で、母の人生を生きているかのような母子癒着へとなっていったのでした。

私が抑圧していた感情との出合い

私は子供の頃からずっと、母のことを大好きなのだと信じていました。しかし、心理学を学んだ時にはじめて、母に対して怒っている自分に出会い、正直びっくりしました。

「お母さんは、私がおもうほど私のことを好きじゃないのかも?」「お母さんは私のことをわかっていない!」というモヤモヤしたものがありましたが、あえてずっと目をそらしていました。

私は中学・高校と、反抗期もなかったような普通の子です。お金に苦労しないで大学にいけたことに対し、両親に感謝をしていました。でも、実際は気づいていなかっただけで、親に文句を言う勇気が無く
いい子の仮面(なんの悩みも抱えてない笑顔の優等生)をつくって親に心配をかけない子供を演じていたようです。

私は記憶から消していたいた子供時代の記憶を蘇らせ、セラピーを受ける中で子供の頃の自分に出会いました。

「お父さんが怖くて、夜も毎日眠れないほど不安だよ」
「お母さんが怒ってばかりで怖い。私のことを本当は好きじゃない?」
「いいお姉ちゃんをしていることに気づいて、頑張ってることを褒めてほしいよ」

眠ったふりをしながら涙をこらえ、誰かに寂しさをわかってもらいたい子供の私がいました。

私にとっては、日常から子供を守ってくれていた母親に対して、その人を悪く思って敵に回したくはないですし、何よりこの母に愛されたい一心だったので、母に対する文句や不満を感じてる感情を抑圧し、我慢して感覚を麻痺させていたのだと思います。

問題を引き受けすぎてしまう現実

癒着をしていると、相手の抱えてる問題を自分が解決してあげたくなり、相手の代わりに自分が問題を抱え込んでしまいがちだとこのブログの最初に書きました。

私の人生は、心理学の説にある通りになりました。

私は大人になってからも、母が父のお酒の問題と向き合うこと(両親のむきあう問題)をほっておけなくて、私がなんとか父の問題を解決したくなり、胸を痛め続けました。しかし、母親を助けようとするほど、なぜか母と喧嘩してぶつかってしまうのでした…。

これだけでなく、私は無意識を現実化するかのように、父と似たような問題のある、助けたくなるパートナーを引き寄せて癒着を繰り返していきました。

私は人との境界線がうまく引けないために、相手の問題を相手に任せられなくなり、相手に解決する力があると信頼できずに、問題をどんどん作っていました。

次回ももう少し、子供の頃の抑圧していた感情を感じることについてお話しします。そしてそうやって抑圧した感情を感じていくことで、どんな風によい変化が起きたかをお話ししていきますね。

母子癒着でお悩みの方へシリーズ③を、またお楽しみに!

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