①誰かに自分を見せていく、いい人の仮面をとる
誰かに自分を見せていくことは、人を頼るという事なんだというお話しをしたいと思います。
それは、
一人で何とかしようとしていたやり方をやめる事、自分では愛せない部分を誰かに愛してもらう体験をするとも言えます。
自分を誰かにみせていく、それは自分のつくったいい人の仮面(周りからこう見られたいという理想の自分像)でない、等身大の自分を見せていくことが必要になります。
“いい人の仮面”という言葉ですが、ここでとても注意していただきたいのです。
「いい人の仮面をとる」=「悪い態度になりましょう」と間違った解釈をされやすいのですが、そういう意味で言ってるのではないのです。
なぜなら、私が心理学を学ぶ最初の頃に、そういう間違った解釈をしていました!
ここでいう“いい人の仮面”というのは、本当の自分とは違うもの、ダメな自分を隠すかのように作ってる 仮面の状態のことをいってます。それは無意識では、本質的にダメな自分を自覚している状態とも言えます。
私のイメージする、「いい人の仮面をとる」というのは、ただ自分を差し出す、さらけだすという感覚です。
いい人になるでもなく、悪い人になるでもなく、犬がお腹をみせていくような、さらけ出す感じです。
◆*◆*◆*◆*
ここでちょっと例えをつかって説明しますね。
毎日お酒に頼らないと心の安定が保てない方がいたとします。お酒がぬけたらとても不安な気分や寂しい気分を感じてしまうからお酒を止められない…。お酒を休む日を作れない人がいたとします。
このタイプの方は、誰かに弱さをみせるのは、人を頼るのは迷惑になるから、お酒にしか自分の弱さを見せられなくなっている、実はとても責任感が強いという一面もあるんです。
その人がいい人の仮面をつけている場合で説明します。その人がお酒が手放せない日常であることを会社で隠して生きているとします。
本当は精神的にはボロボロな状態で仕事の量を減らしたほうがいいのに、いい人の仮面をつけているので、会社では愛想よく笑顔をふりまき、他の人の仕事まで抱えてやっているようなイメージです。
この人が「いい人の仮面を取る」=「悪い態度になりましょう」と解釈したなら、次のような感じになるかもしれません。
職場では笑顔をやめてしかめっ面の無愛想になりパワハラ的なものいいになったりする。
家では「自分は大変な仕事をしてるのだから、酒ぐらいのんでいいだろ〜〜〜!ばかやろ〜!」と怒鳴って悪い態度をとる。
悪い態度をだれかにみせることが、仮面をとった本当の自分をみせていくだと間違った解釈をしている感じです。
それは自分が本当は悪い人なんだと自分の解釈を間違っているからですね。
いい人の仮面の下に、悪いものを隠しているという間違えた自己イメージがあると、悪い自分を嫌って攻撃していた分だけ、怒りを抑圧していたぶんだけ、外にぶちまけたくなってしまいます。
私のここでいう「いい人の仮面をとる」というのは、
「俺は本当はお酒に溺れたいわけじゃない、怒りたいわけじゃない。
本当はただ寂しいだけなんだ、苦しいんだ、変わりたいんだ、みんなと仲良くしたいんだ」
と誰かに胸のうちを打ち明けて、自分の弱さを見せていくようなイメージです。
誰かに自分の弱さを見せていくことは、誰かに自分の心を開いていくことです。悪い態度の攻撃とは違いますね。白旗を上げるような、犬がお腹をみせていくようなイメージです。
このタイプの方の場合は、寂しさや痛みを紛らすためにお酒で埋めていたことを、自分で認めていくには勇気が必要になります。それは自分の痛みを認めれるだけの心の強さが必要になっていきます。
このような○○依存症になるひとほど、実は意思が強く、正義感が強かったり、誰かをとっても愛したい人が多いように私は感じます。
自分の中にある本当の弱さや、寂しさを誰かに見せていくことが、いい人の仮面を取るというイメージが、人を頼るということなのかもしれません。
一人で頑張りすぎてる方はとてもたくさんおられます。誰かに自分を見せていく、いい人の仮面をぜひとって、安心感を味わっていただけたらと思います。
私は一人で頑張る人が集まった家族でした。今は繋がりを感じれる家族になったからこそわかるのですが、「自分のことをわかってほし〜〜〜い!」という承認を求めあうやり方ではうまく行きません。
心の開き方や頼り方にもやり方がある、第三者に頼ることなど、うまくいってないやり方を手放して変えてみませんか?
ご相談お待ちしております。